古川設計室による伝統構法の家づくり

住まいづくりの特徴と流れ

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住まいづくりの特徴

「住まいづくりの専門家達」が、それぞれの知識や経験・技能を活かして熊本の気候風土に合った材を用い、耐久性の高い住まいをつくりあげます。

 ■ 地域材を使うだけで地域の環境を守ることになる
山林は人間にとって無くてはならない存在です。川下の人々は家を建てるとき、熊本の山の木を使うだけで山を守ることになるのです。
戦後植えた杉の木を日本人が、わずか20%しか使ってくれないので密集しすぎています。遠方から眺めれば緑が多くて綺麗というが中に入れば光が通らず暗黒の世界です。(右の写真は密集した杉林)
搬出が困難な山の木は皆伐し、植林をします。搬出しやすい山は間引き伐採をしたら、その後広葉樹や下草が生えてきます。山の保水力が確保され緑のダムと言えるのです。(右の写真は針葉樹・広葉樹・下草がある混合林)                         
しかし、伐採し放置したら竹が生えてきて山を覆いくすします。竹は根が浅く、下草も生えないので山の保水力が無くがけ崩れの原因になり、人間に災害をもたらします。(昔は家の裏に生えていた竹が山の上まで達しています)
■ 消費者の理解

経済優先の日本の住宅産業は自社の利益を優先し、日本の山のことは考えません。「顔の見える木材での家づくり」運動のスタートはまず山を見ることです。木に枝があるから材木に節があるのです。山は斜面なので木が曲がります。製材所は曲がった木は梁に、真直ぐな木は柱に製材し、大工は反りや収縮を考慮し、刻み加工します。

 

■ 製材所の特徴

 最近は合理化優先で、プレカット化が進み、木材を工業製品として扱います。樹木は生物ですので癖があります。1本1本人間の目で木の腹背を確認しながら製材するローテク製材の方が良いと思います。

 

■ 設計者の特徴

規格間取りでよいという人には設計業務は建築確認を取るだけの業務となります。住まい手の要望や個性を反映させたいと思えば、設計は重要な役割です。特に木造の場合は木の知識を持った設計者が必要です。最近設計サービスという割安感を演出した住宅販売手法がありますが、霞を食って生活している設計者はいません。どこかに潜りこませてあります。要るものは要るという認識が必要です。

 

■ 工務店の特徴

木のくせを見抜き、地域材を使った住宅建築の経験を持った大工の集まりです。伝統的な技術を活かしながらも、現代的な住まいに必要な断熱性や耐震性などにもしっかり気を配った施工能力を持っています。

 


 家ができるまでの流れ

1.基本設計

だいたいの間取りが決まったら構造材を山にオーダーする。

2.伐採
山の中に入り、山の環境を知り、どのように木が生えているかを体験しながら、実際に伐採するところを見学する山ツアーを年に1~2回行っている。

3.製材
木には芯ずれ、あてがある。欠点があるから人間がその癖を読み取り補正する。その役目が製材である。

4.自然乾燥
人工乾燥は内部からヒビがはいるが、自然乾燥は表面からヒビがはいる。伝統構法の場合は木材の髄部が大事なので、内部割れがある人工乾燥は良くない。川風を利用して自然乾燥させる。

5.刻み・加工
最近の木材の加工はプレカットが主流である。手刻みが良い。1.5月の期間が必要である。

6.組み立て
臍差しは臍穴より大きく作り、たたきこむ。

7.壁造作
ウールの場合:厚さ10センチの羊毛ウールをいれる。(写真1)
土壁の場合:竹小舞を組み土仕上げとする。(写真2)

写真1

写真2

8.完成

 

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