気候風土適応住宅

省エネ法により、2025年から住宅・建築物を高気密・高断熱にしなければなりません。それでは、風通しや開放的なつくりの日本の建築異文化が廃れてしまうという観点から、「気候風土適応住宅」制度が生まれました。
国は、気候風土適応住宅を、「省エネ法上に位置付けられている伝統的木造住宅の意義は、通風、日射の制御や活用など、地域の気候風土文化を踏まえた工夫により優れた居住環境の確保を図るものであって、我が国の歴史、気候風土に根ざした木造文化の伝承、地域の観光資源の観点からも次世代に継承していく必要がある」と定義しています。
法的には告示786号で法制化されていて、1項では土壁仕様・落とし板壁仕様です。2項は、県ごとに仕様は違います。熊本県では、次のいずれかに該当し、床材に無垢板を使えば「熊本の気候風土適応住宅」として認めています。
*石場建てであること
*くまもと型伝統構法による木造建築物であること
*構造材に用いる木材は熊本県産材とし、墨付け及び手刻みによる加工を行い、かつ伝統的な継手仕口を用いたものであること。
*貫工法であること
*床下が開放的であること

(熊本県版)気候風土適応住宅に関する運用(熊本県HP)

https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/115/51253.html#4

■気候風土適応住宅の図解

「内|外」タイプ(外皮性能型) 「内⇆外」タイプ(気候風土適応住宅)
大壁づくりが主 土塗り真壁づくりなど
建具 工業製品の高性能なサッシ 地場産の木製建具
開口部 窓は小さくなりがち 南面等に大きな開口
建材 木質系、工業系建材を多用 無垢の地場産材、土や紙など
断熱材 性能の高い化学系 木質繊維由来など、自然素材
冷暖房 高性能機器で空調 陽射しや風を活用+薪ストーブなども
出典:職人がつくる木の家ネットHPより